故人が生活していた部屋の害虫がもたらす被害とは...
故人が生活していた部屋の害虫がもたらす被害とは 孤独死や自殺の問題は身内や大家さんに大きな被害をもたらします。...
- 2016.05.12
年間20万人が孤立死。家族難民があふれる日
このままでは、2040年ごろには年に20万人が「孤立死」するようになる。この人を最近見掛けなくなったという話から、役所の人が亡くなっていないか訪ね歩く。今、孤立死は3万人とみられ、全体の125万人の死亡数と比べれば、100人に3人いるかどうか。それが、5人亡くなれば1人近くは引き取り手がないとなって、行政の仕事になる。
自治体はホームレスで亡くなった人の数を教えてくれないという。貧困地区を抱えている自治体にはそういった問題もある。根底に経済格差があるので、今後は農村部でも、70~80代の親と40~50代の息子との3人で住んでいる家庭が多いだけに増えてくるだろう。
今、平均寿命を迎える世代の未婚率はざっと3%。50歳時点での生涯未婚率は15%だから、この理由だけでも孤立死は5倍に膨らみかねない。しかも、この世代は離婚率も高まっていくし、子どものいない人も多い。今から20~30年後、私が亡くなる頃には引き取り手のない人たちがいっぱい出てくる。
その頃には、高齢になっても未婚のままで、家族の庇護を受けられない「家族」難民が数百万人という単位で、あふれ返ることになる。自分を必要とし大切にしてくれる存在がいない人たち、つまり「家族がいない」問題の裏返しだ。一人暮らしのシングルの増加は少子化とともに孤立死を招く。
基本的にはシングル化によってもたらされている。つまり、結婚しない人と離婚する人とが両方増えている。今の若い層は結婚している人が5割なので、逆に言えば2人に1人は結婚しないか、離婚しシングルの人だ。もはやシングルは少数派ではない。今の高齢者は離婚率1割といっても、再婚率の水準はまだ高い。さらに兄弟姉妹も多い。70歳では兄弟姉妹数は自分以外に平均3人いる。それはおいやめいがいることにもなる。彼らが手術のサインをしてくれる、骨を引き取りに来る、そういう意味での親しい家族がまだいる。
しかしそれでも孤立死が増えているのが現実だ。
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